英語考
2006-08-23


学生が英語の全訳をしているところを眺めて思ったことである.

学生(にもよるが)は全訳をするとき,

(1)まずわからない単語を辞書で調べる.一応翻訳ソフトなどの使用は禁止しているので,一個一個調べていくことになる.これは良い.

(2)続いて,文章を適当に翻訳する.まだ文脈などは理解できていないために,日本語とはとうていいえないような文章が出来上がる.これでは全訳として使えない.

(3)そこで,この全訳の日本語で書かれた文を見ながら,日本語っぽい文章になるように語順を並べ替えたり意訳したりする.

私の気持ちとしては,(2)が大事で,この段階で表現はともかく,意味が理解できる文章にしておく必要があると思うのだが,どうも見ていると(1)と(3)に時間がかかっているようである.(1)はわからない単語が多いので致し方ないとは思うものの,なんとかボキャブラリーを増やす努力をしなければならない,と思う今日この頃である.

なによりの問題は(2)を適当にやって,(3)で日本語を作っているところ.なので前置詞がなににかかっているか,とか何が目的語なのか,とかそういった部分は適当になってしまうのである.最後の日本語⇒日本語変換で一番努力しているため,肝心の英語を理解する能力がまったく向上しない.結果として,同じような文章を二回読んだとしても,ほぼ同じだけの時間がかかってしまうということになるし,日本語っぽい文章を作ることが目標なので,文脈がおかしかったり日本語としておかしかったり,ぜんぜんわけがわからない文だったり,ということになりがちである.

本来,全訳というのはあまり好きな作業ではない(のだが,必要ではある)と思っているので,ここは思い切って,全訳禁止,文章の意味が取れるまでは英文を見ながら考えること,という指導をしてみることにした.どのくらい効果が出るのかはわからないが,少なくとも悪くはならないだろうから.
[日常]
[英語]

コメント(全2件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット