我々の分野(に限った話ではないと思うが)では,論文などの文章を書くときは「である」調で,発表などでは「です・ます調」を用いる.ちょっとやっかいなのは,発表時のパワーポイントなどのスライドは「である調」で書くのに,しゃべる時は「です・ます調」になることである.
いままで,深く考えずにこう指導してきた.ところが発表をいろいろ聞いていると,ほとんど「です」が使われていない.「名詞+です」がときどき見られる程度である.例えば,「この原因は××です」みたいなケースである.ところが,これも多くのケースでは「この原因は××であると考えられます」のように,「ます」になってしまうケースが多い.
学生によっては「××の値が大きいです」のように「形容詞+です」という言葉を用いるケースがあるが,これは発表に使う言葉としてはとても違和感がある.なんというか非常に口語的なのである.会話で「今日はとても暖かいです」というのであれば違和感はないのであるが,発表中に出てくるとどうにも気持ちが悪い.文法的にどうなのかはよく知らないが.
ということは,発表は「ます調」と指導すればよいのだろうか?ちょっと調べた範囲では「ます調」という言葉は見当たらなかった.いろいろな発表をたくさん聞いていれば自然とそうなるような気もするのだが,なんで「です」がだめなのか?というのを説明するのはなかなか難しい.
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